一気に吐き気がこみあげてきた。口内に、酸っぱくて苦々しい消化液がなだれこんでくる。
今日ほど自分の嗅覚を呪ったことはない。
冷凍庫にある物を察知したせいで、気分が耐えられなくなった。
目まいがして頭痛がした。体中に電気が流れているような痺れを感じた。
このままここにいるのは危険だ。ふらふらしながら歩いた。
ダイニングの出口が遠く感じる。

「あれっ、どうしたの?」

「……やっぱり……帰る」

漸く辿り着いた廊下で震える声を絞り出した。少し声を発しただけで呼吸困難に陥りそうになった。