嗅坊
嗅覚が異常に優れている少年が事件に巻き込まれ……
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「あと、これお土産。このまえ、パスタ作ってくれたのに勝手に帰ったから、お詫びの印に……あっ、カレと一緒に開けてね。それまでのお楽しみ」
僕は、ランドセルから白い箱を出して芹沢に渡した。
「ありがとう……なにかな? 楽しみ……でも悪いわねぇ」
「いいよいいよ、また今度パスタ食べさせてもらいに行くから……じゃあ僕、今から学校に行くわ」
「分かった、ありがとう。じゃあ、私はさぼっちゃおっ!」
そう言うと、芹沢はスキップしながら公園の出口へ向かった。泥がはねて白いハイソックスに付着した。公園を出ると、男の家がある方向へ駆けていった。
上手くいって欲しい……
演技を終えた僕は、大きな息を吐き出した。
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